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広い保護に関しては、ボールスプライン事件最高裁判決において、我国でも最高裁において原則として「均等論」が認められることとなった。
特許庁も、ソフトウェアを記録した媒体について特許権の対象とされ(平成9年2月の審査基準改訂)、
ビジネスモデル特許についても特許権の対象となっている。強い保護に関しては、損害賠償額の算定方式の見直し等を柱とする「特許法等の一部を改正する法律」(平成10年4月成立)において実現し、裁判所においても体制強化の観点から、東京地裁に知的財産権の専門部を平成10年4月に1部増設して2部とした。
平成10年10月の薬(H2ブロッカー)を巡る特許権侵害訴訟で、東京地裁から過去最高である約30億円の損害賠償額を認容する判決が出された。早い保護に関しては、
ペーパーレス化の対象を意匠、商標等へ拡大、公開前審査やパソコン出願の実施(平成10年)
、2000年までに第一次審査期間を12月(FA12)とすべく審査処理を迅速化等が図られた。最新の技術情報の宝庫である特許情報の活用のため、インターネットで4000万件の特許情報を提供する「特許電子図書館」が構築されており、簡便な出願時調査が可能となっている。 |
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我国の知的財産権の質と量の確保とは、1出願件数当りの価値*出願件数を最大化するようにプロパテント政策を採ることによって達成されよう。ただし、当面の間は、出願件数を1出願件数当りの価値をアップさせて、全体の知的財産権の質と量の確保を図ることが現実的な戦略となろう。 |
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殆ど特許性がない理不尽な出願であっても、ハッキリ特許性がないと断言することは余程自信がないとできず、発見された出願は、「審査請求されたら、情報提供等の対応を取ることにする。」ということになり、結局は、取りあえず問題出願として、ウォッチングすることになる。 |
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出願日とは、国内優先権主張を伴う出願においては、後の出願日をいい、分割出願においては、原出願日をいう。 |
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今回の審査請求期間の短縮に関して、原案は出願から2年でEPO並みになっていたが、企業側にとって他社出願の調査期間が必要なこと、我国は欧州特許庁のようにサーチレポート制度を有していないこと等により3年となった。ただし、私見ではあるが、出願と出願請求時ではそれ程、特許性の評価の精度に差が有るものでもなく、出願時2年以内に審査請求するEPに揃えて置いた方が良かったのではないだろうか?
なお、PCT出願の国際予備審査をした場合の国内移行手続をするか否かの判断は優先日から2年半である。 |
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「敵を知り己を知れば百戦危うからず」の諺通り、出願時調査は特許戦略上非常に重要である。出願時調査をすることにより、以下のメリットが考えられる。 |
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| (1) |
類似技術記載の先行文献を発見した場合には、出願時にその類似技術との差を明確にして、特許性を高めることができる。 |
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同一技術記載の先行文献を発見した場合には、出願を断念し、代わりに改良発明の出願をすれば、無駄な費用削減と有効な権利取得を図ることができる。 |
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審査請求制度は、昭和45年に出願公開制度と同時に導入されたが、導入趣旨の一つは、真に権利化の必要な出願のみ審査請求をすることによる滞貨の一掃であった。今回の法改正の趣旨の一つが、滞貨の一掃を図ることでもあるのも奇異な感じがしないでもない。 |
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早期審査制度は、外国での特許の質と量の確保を図るためには、外国出願している場合よりも、外国出願をしようとする出願の方に適用するべきではなかろう?さらに、早期審査申出の際に、外国出願しようとする出願人は、手数料(現在の運用は無料)を支払っておいて、外国出願した後に返還を受けるシステムが望ましいのではなかろうか?大企業の出願であっても、実施していなくても、早期審査制度を活用する場合は有るのであり、活用できる道を確保すべきではなかろうか?
なお、大企業であっても、出願は個人名で出願して、早期審査請求をして早期権利化を図り、後で譲渡する戦略は考えられよう。 |
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特許庁としては、2000年を目途に「ファーストアクション(1次審査終了)12ヶ月」の実現を目指している。 |
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佐藤富徳著「特許48手物語」知財管理Vol.50,NO.6,2000の【第13手】発表は奥床しく発表し、全てを喋らないこと”を参照のこと。ホカシて発表するテクニックを具体的に記載している。 |
| 11) |
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未公開の出願の後願排除効(特許法29条の2)は、同一範囲だけであるが、公開された出願の後願排除効は、もっと広い自由技術範囲となる。 |
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各国の審査請求請求期間について、比較表を以下のように纏められる。
7年という長期の審査請求期間は日本とドイツのみである。 今後、日米欧の三極特許庁が世界の審査の中核を担い、グローバルに安定した権利設定を行っていくためには、欧米に見合う審査請求期間とする必要が有る。 |
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諸外国の審査請求制度
審査請求期間
国 名
請求制度なし
米国
2 年
欧州特許庁、英国、ポーランド
3 年
中国、チェコ、ロシア、アルゼンチン、インドネシア
5 年
韓国、豪州、カナダ(*1)
7 年
日本、ドイツ(*2)
(*1)1996年に7年〜5年に短縮されている。
(*2)ドイツでは初年度請求が全請求件数の約2/3を占めているが、我国では初年度請求が
全請求件数の約1割、6、7年度請求が約5割となっている。 |
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世界で一番厳格な日本特許庁の審査で、特許性有りという審査結果を外国に先駆けて受取った場合、外国での権利化は、自信を持って押し進めることができる。逆に、外国では特許となったのであるが、日本では、審査請求したが思うような特許が得られなかったような場合には、国際特許戦略上の悔いが残るのではなかろうか?また、我国の特許性ありとの予備審査結果は、各国国内段階の審査でも尊重されるであろう。EPでも我国の国際予備審査結果は尊重されると明記されている(欧州特許庁審査便覧C部第Y章、10.において準用するE部第\章、6.4)。 |
| 14) |
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各国は特許独立の原則の遵守義務が有るが(パリ条約4条の2)、現実には、日本の特許査定謄本を外国特許庁へ提出すればその国で特許となる確率が高くなると考えられよう。 |
| 15) |
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出願人は国際調査報告の先行文献リストを見て、PCT出願Aの特許性を自主的に判断し、特許性が無いと判断した場合、PCT出願Aの発明aの改良発明bをすることが大切である。この場合、国内出願A0を基礎とする優先権主張を取下げて、PCT出願Aを基礎としたPCT出願Bをすることもできる。優先期間が経過していても、優先権主張を取下げれば、PCT出願Aに基づくPCT出願Bを行うことができる。優先権主張の取下げと組み合わせたPCT出願は、非常にフレキシビリティが高い戦略が可能になる。国際公開の準備期間経過前に優先権主張を取下げると、最大12ヶ月国際公開を遅らすことができる。PCT出願Aの特許性、経済性、権利性の全体評価が困難の場合で、かつ国際公開による公開デメリットが大きい場合には、リスクは負うが、優先権主張を取下げて国際公開を遅らす戦略も有り得る。なお、優先日から1年3ヶ月前に優先権主張を取下げると国内出願A0がそのまま係属し得るので、出願公開を回避すべく国内出願A0も取下げておくべきである。(図3を参照) |
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IDS(Information Disclsure Statement)制度とは、出願日から3ヶ月内等に先行技術文献を米国特許庁に提出する制度をいう。IDSを提出し忘れた場合には、米国での権利行使ができなくなる。 |
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利益額を上げ得たのは、資金力、組織力、特許権の3つにより得られるものと考えて、特許権の寄与分を利益額の1/3とするものである。これを裏付ける判決として、東京地判 昭和37.5.7 下民集13巻5号972頁「鉄筋コンクリート構築物の構築法」が有る。
なお、3分法に類似する考え方として、4分法が有る。4分法は、利益額を上げ得たのは、資本力、組織力、特許権、協力者の4つにより得られるものと考えている。米国の25%ルールにも呼応するものと考えられる。
以上 |